作品賞に輝いたのは、人種や立場を超えた友情を描いた『グリーンブック』。最高賞に値する素晴らしい作品だ。一方で、今年の作品賞は、近年まれに見る接戦であったため、「スキャンダルがなければ」「批評家の辛評がなければ」といった、タラレバ話が尽きない。そんななか、授賞式翌朝の米映画業界紙「バラエティ」のコラムのなかで、「“選択投票システム”でなかったら、『ボヘミアン・ラプソディ』が作品賞を受賞した可能性もあっただろう」という記述が目を引いた。

  モードな男性にオススメ!バレンシアガメンズ財布9選〜流行 

作品賞のみに採用されている同システムは、投票者がノミネート作品すべて(今年は8本)に順位をつけて、上位票が最も多い作品が受賞するというもの。複雑なシステムなのだが、「評価が激しく分かれる作品より、皆がまんべんなく好きな作品が選ばれる」結果にもつながる。つまり、『ボヘミアン・ラプソディ』の場合、同作を1位に選ぶ熱烈な会員が多い一方で、さまざま要因により最下位に置く会員も多かったことが予想される。なので、もし作品賞も、他部門同様の“1票1作品システム”であったなら、熱烈票が多い同作が受賞したかもしれない……と、タラレバタラレバ。
TVコマーシャルでも「クイーン」が存在感を発揮。米ABC局が担当した授賞式中継の合間に、オーディション番組「アメリカン・アイドル」の候補者たちが、「ドント・ストップ・ミー・ナウ」をミュージカル仕立てで歌う番組宣伝CMが流れたのだ。1人の候補者が司会者ライアン・シークレストの手から、ハリウッド行きの切符である“ゴールデン・チケット”をスルリと取ると、次から次へと候補者たちにバトンリレー。エレベーターから衣装室、控室へと動き回ったカメラが、最終的に屋根の上で合唱パフォーマンスをする彼らをとらえる仕立てになっている。多様な候補者たちが、思い思いの解釈で、全身全霊で表現する“自分だけのフレディ”。彼らが、オーディションの中で「クイーン」の楽曲を歌うこともあるかも?と期待が膨らむ。ちなみに、授賞式を沸かせた歌曲賞ノミニーのジェニファー・ハドソンも、開演パフォーマンスを行ったアダム・ランバートも、「アメリカン・アイドル」卒業生だ。

http://www.ninkitokei.com/brandcopy-m-240.html
30年ぶりの司会なし進行となった授賞式。ムードを作るオープニングへの不安が渦巻くなか、クライマックス並みの盛り上がりを見せたのが、「クイーン」のパフォーマンスだった。スモークの中、ブライアン・メイとロジャー・テイラー、同バンドと6年以上にわたりパフォーマンスを行っているアダム・ランバートが登場し、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」と「伝説のチャンピオン」で会場を熱狂させた。七変化の笑い顔が武器ともいえる実力派俳優ハビエル・バルデムは、素顔&満面の笑みで大はしゃぎ。アカデミーCEOもグレン・クローズも大喜び。ジェニファー・ロペスもこぶしを振り上げてノリを見せた。最後は大画面にフレディ・マーキュリーの姿が映し出され、アダムが「アカデミー賞へようこそ!」と絶叫。フレディの魂、ここにあり!を感じる瞬間だった。